起業する上で知っておいて欲しい、差別化における3つの軸とは?
こんにちは。
ひとり起業家のビジネスを、ノート3冊分の自分史を使って揺るぎない自分軸(=起業エンジン)を見つけ「集める」のではなく『集まる存在』に変化させる起業エンジンメーカーの阪井裕樹です。
「差別化」
ひとり起業家として、起業、独立していくためには、必ず必要な事です。
しかし、多くの方が、差別化の方法を間違えていたり、応用できておらず、「毎月の売上に負われる自転車操業状態」となってしまってしまっています。
そこで、今回は、個人起業家に必要な
- 「差別化」における、3つの軸
- 3つの軸における陥りやすい罠
をご紹介します。
あなたに1つ質問させてください。
あなたに1つ質問させてください。
あなたがもし、コンサルタントやコーチ、セラピストといったいわゆる「人に教える」ビジネスで起業していると仮定しましょう。
- 今、教えている生徒さんは10名。
- サービスの単価は30万円。
- そして、今月の売上が芳しくありません。
そのとき、売上を上げるため以下のいずれかではどちらを行いますか?
- 無料の体験セッションを募集する
- 既存のお客さまに必要な他のコンテンツを開発して提供する
阪井の考える正解
阪井が考える答えは、「既存のお客さまに必要な他のコンテンツを開発して提供する」です。
もちろん「1.無料の体験セッションを募集する」も間違ってはいませんが、「2.既存のお客さまに必要な他のコンテンツを開発して提供する」のほうがベターです。
それは何故なのか。もう少し詳しく解説していきますね。
差別化に必要な3つの軸からなぜ効果的なのかを考える。
なぜ「1.無料の体験セッションを募集する」より「2.既存のお客さまに必要な他のコンテンツを開発して提供する」のほうが効果的なのか。
それは「差別化の3つの軸」に当てはめるとわかってきます。
差別化の3つの軸とは
差別化の3つの軸とは、以下の事を言います。
1.手軽軸
いわゆる薄利多売。 より多くの商品を低単価で提供する戦略
ex)吉野家
2.商品軸
商品のクオリティやブランド力で勝負する戦略。高品質・高単価なものに多い
ex)ルイヴィトン
3.密着軸
お客さまとの関係性・親しみやすさで勝負。 少人数×高単価なコンサル系はこれ。
ex)リッツカールトン
もちろん、各差別化軸のどれかが出来ていれば良いというわけでは無く、最低限のクオリティは確保した上での差別化の話です。
そう考えると、リッツカールトンはブランド力もありますし、親しみやすさもありますよね。
でも、リッツカールトンがブランド化され、単価があがったのは、「クレド」と呼ばれる指針に基づいた 「お客さまの要望にNoと言わないスタッフ」の存在が大きいです。そう考えると、密着軸ですよね。
なぜ、無料はダメなのか
なぜ、無料の体験セッションではなく、既存のお客さま向けのコンテンツを開発したほうが良いのか。
勘の良い方はお分かりかもしれませんが、無料というのは「手軽軸」の戦略だからです。
例題の設定で記載しましたが、この場合サービスの単価は30万円となかなかの高額。
しかも今の顧客数は10名。
そう考えると、この人は「密着軸」で勝負していることが分かります。
コンサルあるあるなのですが、無料という言葉を使うと、無料問いう言葉に惹かれてやってくる人が出てきます。
そう考えると、元々無料だからという理由で体験セッションを受けに来た人に30万円のサービスなんて売れないですよね。
それよりも、既に関係を築いている既存のお客さまに対して、今のサービスではカバー出来ていないものをカバー出来るもの、いわゆる「お客さまの不」を解消するサービスのほうが、必要性を感じてくれ、購入していただける可能性が高くなります。
そのため、この場合には「1.無料の体験セッションを募集する」ではなく「2.既存のお客さまに必要な他のコンテンツを開発して提供する」のほうが、売上が上がる可能性が高くなります。
この施策を、LTV(Life Time Value)を上げると言います。
新規で獲得するよりも、既存の方に新しいものを購入してもらったほうが、購入の確率は上がりますよね。
差別化の3つの軸での陥りやすい罠
「差別化の3つの軸の中でどれを選べばいいのか」ということは、ご自身の特徴にあわせて選択して頂ければと思います。
ただ、3つの軸それぞれで陥りやすい罠が存在しますのでご紹介します。
手軽軸の場合
手軽軸の場合は、ひと言でいうと、薄利多売なビジネスモデルです。
ということは、陥りやすいポイントは、過度な価格競争です。
以前、牛丼業界でもありましたが、どんどん商品の単価が下がる。
消費者としては、価格が下がるのは嬉しいですが、企業側としては、体力勝負になってきます。
結果として、資本力のある企業が生き残るんですね。
商品軸の場合
商品軸の場合は、商品のクオリティやブランド力が差別化ポイントです。
商品軸で陥りがちなのが、不毛な商品開発です。
例えばテレビ。
マニアな人は除いて、多くの方がテレビに求めるのは、テレビ番組を観ることです。
でも、今のテレビはいかがでしょうか。
様々な機能がつき、リモコンはボタンだらけ。
あなたはご自身のテレビのリモコンの全てのボタンの役割を理解していますか?
おそらくわからないですよね。笑
機能が多すぎると消費者は混乱します。
そのため、TVショッピングのジャパネットたかたでは、敢えて不要な機能を除いたテレビ(少し旧世代のテレビ)を発売して、爆発的な売上を出したことがあります。
密着軸の場合
密着軸の戦略で大事なのは、顧客の関係性です。つまり、密度になります。
一方で、密度を維持しようとするとどうしても数多くこなすのは難しくなります。
そのため、 お客様を絞っていくことが重要となります。
上記の例で出したリッツカールトンは、部屋数は、平均100室以下と少数精鋭にこだわっています。
ここから分かるとおり、密着軸の難しい点は、サービスのクオリティの維持です。
質と量は比例しないように、密着軸戦略の場合、全ての顧客に同じようなクオリティを提供できるかどうかがポイントになります。
少しでもクオリティに差が出ると、それはやがてマイナスな口コミとなり、自分のビジネスに跳ね返ってきます。
ちゃんと戦略、持っていますか?
兼ねてからお伝えしているように、お客さまへの想いは大事です。
でも、その想いを実現させるためにも、『戦略』が必要になってきます。
そして『戦略』には『型』が存在し、その方を学んで自分で『応用』すること。
「想い」はもっていても、「苦しい」という方は、この「戦略」が無いために、毎月の売上に負われる自転車操業状態に陥ってしまっています。
そうならないために、ぜひご自身で型をみにつけ、実践されてください。

(株)CarpeDiem代表取締役
ValuenceAcademy(バリューエンス・アカデミー)主宰
起業エンジンメーカー
『明日目覚めるのがワクワクする社会の創造』をテーマに<人の可能性を最大化する>事業を展開。
相手の笑顔のシワの1つ1つまで見えるような「距離の近い」事業づくりが目標。
珈琲/イチゴ/エビ好きな旅宿マニア
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